2018/11/23

札幌の民泊プレイヤー事例 04:ゲストハウス

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取材協力:SappoLodge(サッポロッジ) オーナー 奈良様

ゲストハウスをオープンしたきっかけを教えてください

実はゲストハウスは20年前からやろうと思っていたのですが、それまでは自分が旅人だったので、自分の旅がある程度終わってからと思い、2014年の12月にこのゲストハウスをオープンしました。
僕は15年ほど山岳ガイドの仕事をしているのですが、今まで世界40カ国ぐらい旅をしている中で、北海道の自然というのは客観的に見ても、世界でも有数の優れた場所であることを実感しました。だからこの北海道の素晴らしい景色を、来た人に絶対に伝えたいと思い、その手段としてゲストハウスを作りました。

今年の12月でオープンから4周年を迎えパーティーをやるのですが、札幌で応援してくれる人たちをはじめ、色んなつながりの人たちでざっと200人くらいが来てくれます。仕事というよりは、遊びの延長で今もやっている感じですし、やっぱり楽しくないと意味がないですね。

施設名の由来を教えてください

お客さんが札幌を旅する時のベースキャンプになればという思いと、山岳ガイドの時は普段、山小屋に泊まることから、都会の中に面白い山小屋をつくろうと考え名付けました。
「札幌のロッジ」からちょっと短くして「サッポロッジ」。最初は周りから「ダサい」と反対されましたが、それを押し切りました(笑)。今ではニューヨークのクラブでも「札幌行くならサッポロッジだよ」って言ってもらえるほど海外でも浸透しているんです。お客さんも音楽や山が好きな人がたくさんいますからね。

どんな方が利用されるのですか?

国内・海外ちょうど50%ずつですね。スキーの時期は欧米人が多いし、韓国や台湾、タイ、ベトナムなどアジア圏も多くいます。新千歳からも直行便が飛んでおり、アクセスしやすいことも要因だと思います。

国内の方も色んなところから来ていてリピーターも多いです。毎年来る人もいますし、一番多い人で毎月来る人も。サッポロッジに泊まるという目的で来て、観光もせずうちのBARでビール飲んで料理食べて、スタッフと仲良くなって帰るみたいな。まるで親戚の家に遊びに行くような感覚で来てくれ、お土産を持ってきてくれる人もいっぱいいますね。

あと最近は出張で来たビジネスマンも増えてきています。今まではビジネスホテルに泊まっていた人だとか。
1階が飲食店になっているので、カウンターに座っていたら誰かしら旅人と出会える。中には地元の人と一緒にお酒を飲めるのが楽しくて、出張のたびに来てくれる人もいますね。
地元の人から本州、世界中の旅行者が同じ場所で食事をしてお酒を飲めるので、必然的にいろんな交流が生まれています。

実は札幌のゲストハウスの中で、本格的な飲食店を併設しているところはほとんどありません。でもうちには14年間イタリアンをやっていた2人のシェフがいるので、料理は約50種類、お酒も100種類くらい揃えており、普通の飲食店とほとんど変わらない感じです。宴会や結婚式の2次会はもちろん、ビジネスで使ってくれることもあります。
しかもそこにプロの山岳ガイドもいて、アウトドアツアーをやっているんですから、他ではちょっと真似できないと思いますね。

サッポロッジさんの強みはそういった本格的な部分でしょうか?

そうですね。あとは建物自体もこだわりがあります。内装は全て北海道の木を使っており、例えばBARカウンターは、樹齢360年の木を切り出し、4トントラックで運んできて削って作っています。他にも自分たちで床の木を張り、壁を塗り、天井もトド松という木を山で切り、それを製材してもらい作りました。
みんな素人ですが、1日数人ずつ仲間が手伝いに来てくれ、6ヶ月間かけて自分たちのロッジを作ったんです。

友達やその友達など全部で200人位の仲間で作った施設なので、オープンした時は「俺の作ったゲストハウスに行こう!」ってその時の仲間が色んな人を連れてきてくれて。言ってみれば、オープン当初から約200人の営業マンがいる状態なので、おかげさまで高い稼働率で安定的な運営ができています。

どんなイベントを開催しているのですか?

スキー関係のスライドショーや僕の南極に行った時の講演会、弾き語りのライブ、それと満月の日にカレーを食べようという「カレー満月」など色んなイベントをやっています。更にもっと北海道のディープな自然や雄大な景色を楽しみたい人を、僕がガイドとしてツアーを組んでいます。

夏ならカヌーやシーカヤックなど夏のアクティビティ、冬は雪が降ったらスノーシューで山を案内したり、スキーやスノーボードもお客さんのレベルに合わせたツアーを提供したり。そしてツアーの後には、ガイドしか知らないような温泉に入り、ローカルなお店でご飯を食べ、宿に戻ってきたら締めのビールでも飲みながら旅の話をして、疲れたら2階で寝てくださいねって。

僕らは「普通の一日が、ここに来て最高の一日になりました!」って言ってもらえるためにこの仕事をやっているので、来てくれた人が何のために来たのかを考え、最高の一日を作ってあげることに注力しています。ですから僕の仕事は、何年経っても来るだけで面白い場所と思える仕掛けをつくること。その仕掛けを作っておかないと、どんどん輝きが失われていきますからね。

この仕事の面白さを教えてください

やはり自分が旅をしなくても自然と旅人が集まってくるので、あたかもどこかの旅先にいるような感覚になれるというところですね。それは旅人からすれば「旅先」であるわけですし、僕やスタッフもずっと旅をしているので、旅の途中のような感じです。
このゲストハウスは、旅人に楽しんでもらう場所であり続けることが目的なので、スタッフも仕事に追われるというより、毎日色んな人と出会いながら旅先で働いているような感覚だと思います。傍から見たら大変かと思われますが、そう感じることはほとんどありませんね。

今後の目標について教えてください

今まで以上に面白さの輝きを増す仕掛けを作っていくことと、新たな事業計画を進めているので、そっちにも注力することですね。詳しくは言えませんが、自分もゲストも面白いと思うことで、喜んでもらえるような仕掛けを作っていきます。

これから事業を始める方へメッセージ

あまり先を急がず、目の前のことをコツコツやり、何かしら自分の喜びに返ってくるようなことをしたほうがいいと思います。
仕事と思わず旅の一つと捉え、いろんな人との出会いを大切にする。ただ、ビジネス感覚は大切なので、ビジネス感覚を持ち合わせつつ、楽しいと思えることにどんどん挑戦していってほしいですね。

あとは「これをやってみよう」という時に、自分の頭の中だけじゃなく、書き出して事業計画書にして、「自分の考えは△△で、○○をやったら面白いと思っています」と具体的に他人に説明できるようなものを作ってみたらいいと思います。そうすることで色んな人から具体的なアドバイスを聞けるようになるので。

この4年間で「ゲストハウスやりたいです!」と何十人も僕のもとに来ましたが、まずその人の計画を聞いて、自分が思ったことを全部伝えてきました。中には泣きながら帰っていった人もいましたが、それはその人のためでもあるし、そもそも安易な考えじゃゲストハウスの運営は難しいです。

実はゲストハウスのオーナーもよくウチに飲みに来て、「どうしたらいいですか~」と相談されるんです。逆に僕たちも相談するし、札幌のゲストハウスの人はとても仲がいい。ゲストハウス合同でイベントをやったりもしていますしね。ですから、きちんと計画した上で進めていくことで、僕や他のオーナーからも色んなアドバイスができると思いますよ。

<SappoLodge(サッポロッジ)概要>
住所:北海道札幌市中央区南5条東1丁目1-4
TEL:011-211-4314
アクセス:東豊線「豊水すすきの駅」5番出口より徒歩2分、南北線「すすきの駅」3番出口より徒歩8分
CHECK-IN:15:00~23:00 / CHECK-OUT:10:00
Bar & Dining:18:00~26:00

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