2018/10/28

札幌の民泊プレイヤー事例 01:ホステル

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取材協力:SOCIAL HOSTEL 365 オーナー 佐々木様

宿泊事業を始めたきっかけを教えてください

元々僕と、中学時代の親友である大畑は旅行が好きで、お互いのタイミングが合った時に、2人で一緒に宿でも始めたら面白いんじゃないか?ということから、2014年12月にホステルを始めたのがきっかけです。

僕自身は市内にある他のゲストハウスでのアルバイト経験があったのですが、もう一人のオーナーである大畑は、全く別の会社で働いていた未経験者。そのため、スタート当初は僕の経験をベースに運営を行い、徐々にブラッシュアップしていきました。

スタート当初から運営する上でのギャップはあまりなかったのですが、かなり体力勝負だなとは感じましたね。
今は現場スタッフ3名に運営を任せているのですが、初めは2人だけでスタートしたので、やはり運営基盤ができるまでは大変でした。

ホステル名の由来を教えてください

お客さん同士の交流というのは、よくあるゲストハウスのカタチですが、そこに地元の人とかが入り、地元の人と旅行者がそこで知り合い交流できる面から、“交流できる宿”ということで【SOCIAL HOSTEL 365】と名付けました。

ホステルの1FにはBARがあり、そこは地元の人も利用できるようなスペースに。また“365”というのは、1年365日という意味合いがあります。そこに住んでいる人からすれば日常なのですが、旅行者からすれば、そこでの1日はすごく大切な時間のため、その部分を忘れないようにという想いがあります。

どんな方が利用されるのですか?

お客さんの4割が日本人で、残り6割くらいが海外の方ですね。
日本の方は、週末に市内で行われるイベントやコンサートで来られる方が中心。海外の方が多く来てくれるのは、欧米の方の利用者が多いトリップアドバイザーのレビューが高いというのも一つの理由だと思います。

SOCIAL HOSTEL 365の強みはどんなところですか?

やはりドミトリーベッドが大きいことですね。
建物のサイズに合わせ“ダブルサイズ”と広めにベッドスペースをとっているので、とても個室感が出ますし、プライバシーが守られ快適に過ごすことができます。

たくさんのベッドを置いて稼働率を上げ、売上を伸ばしていくのがドミトリーの基本モデルなので、なかなか広く置くというのは経営判断的に結構難しかったりもするんですよね。

けれど僕らの経験上、「これくらい広いと嬉しいよね」というところから大工さんと一緒に作っていきました。
お客さんからも、プライバシーが守られつつも、しっかり交流できるような空間だとよく言われます。

立地については、お客さんによって好みが別れてしまいますが、ファシリティなど立地以外の部分で言えば、高い評価を頂いていますね。

ホステル内に「シーシャラウンジ」を作ったのは斬新ですね!

僕自身が元々好きで、スタッフも好きだったことから、ずっとやりたいと考えていました。
シーシャは外国の文化なので海外の方から人気ですし、実際に水タバコが吸いたくてウチに予約しましたという方も多くいます。

日本ではそんなにポピュラーではないですし、札幌だとほとんどお店がありませんが、「探していたけど見つからなくて…」という感じで来てくれたり、そのためだけに泊まりに来てくれたり。中には、旅行先だからちょっとチャレンジしてみたいという日本の方もいらっしゃいます。

それにホステルとすごく相性がいいんですよ。1度の注文で1時間~1時間半くらい吸えますし、普通の飲食よりゆったりした時間が流れリラックスできるので、お客さん同士の交流がとても生まれやすい。なので、海外の方にウケが良いのと、コミュニケーションツールとして有効という2つの側面がありますね。

実際にウチで吸ってもらい、地元に帰ったら、地元の店に通うようになった人もいます。旅の思い出から趣味になることから、良い機会を提供できているのかなと思います。

どんなところにこの仕事の面白さを感じますか?

泊まりに来てくれた方が気に入ってくれて、また半年後とかに来てくれるだけじゃなく、それが2~3年続いて気付いたらこっちに移住し、仕事を見つけて友だちになってね。そして最後にはウチで働いている…という事も少なくありません。

こういったケースは日本人なら割とあるのですが、海外の方なんですよ。もちろんずっとはウチで働いていないですが、そういうのを間近で見ると、自分たちがお客さんに与える影響って大きいんだなと感じますね。

地方に移住者を増やそう、人を呼ぼう、など皆さん色々考えていると思うのですが、結局のところ人のチカラという部分が大きいんだなと。
もちろん仕事は大変ですが、その分やりがいがあり面白い仕事だなと思います。

仕事において大変な部分はありますか?

やはり24h・365日お客さんを迎えてケアしていくとなると、続けていくというのが大変ですね。
9月に北海道で大地震があり、すごい現場でも対応に追われたのですが、その時改めて自分たちはお客さんを一晩預かる商売なんだなと感じました。

幸いにもウチは建物が破損したり、誰かが怪我をすることは無かったのですが、お客さんを預かっている間は、働いている人たちは全力で助けなきゃいけない。

普段何もなければそこまで考えることもなかったのですが、冷静に考えてみれば、この仕事はもしかしたら、人の命を預かるような商売に入ってしまうのかなと考えさせられましたね。

今後の目標について教えてください

僕たちは1号店である【SOCIAL HOSTEL 365】の他に、市内に3つの宿泊施設を運営しています。
宿に関しては、ある程度自分の中でやりたいことはやれたかなという思いがあるので、今年からはチャレンジの方向を変えています。

まず考えたのは、宿がいっぱい増えてきた時に、次に何が足りなくなるかということ。
それと基本的にお客さんは外に観光に行っちゃって、なかなか夜帰ってこない。そうなるとゲストハウスは単なる寝る場所のようになり、そもそも交流とかが意味をなさなくなる。それならカプセルホテルと変わらないじゃないですか。ですので、お客さんと一緒に旅行に行けたら良いんじゃないかと思い、新たに観光バスの事業を始めています。

現在、貸し切りバスのライセンスを取り、団体のお客様向けの貸し切り大型バスの提供や、小さなファミリー向けにマイクロバスなどを使い、一緒に道内を3~4日間ぐるっと観光して戻ってくるプランづくり。それに小さなハイエースサイズで各ゲストハウスからお客さんを拾って集め、一緒にワンデーツアーを開催する、という企画を進めています。

基本的にバス会社は、旅行代理店からの発注があってからバスとドライバーを手配するのですが、企画や販売をやるとなると旅行代理店のライセンスが必要となってきます。そこで今年7月に旅行代理店の免許を取得し、現在当社では、旅行会社とバス会社、ゲストハウスの会社の3つの事業を手がけています。

最近は民泊のような安い非交流型や、鍵だけ渡されてという流れも加速していますが、人とのふれあいや交流を大切にするスタイルも価値として残り続けると思うので、僕たちはそっちを攻めていきたいと考えています。

交流型のゲストハウスはしっかり伸ばしつつ、バスも単純に乗るだけでなく、参加した人同士がワイワイとゲームとかをしながら一緒に旅行を楽しみ、仲良くなってというようなものを作ったり、旅行商品を作っていくなど、交流をテーマに多角的にやっていきたいと考えています。

これから事業を始める方へメッセージ

すごく面白い事業ですし満足しているのですが、他のサービス事業と違ってコミュニケーションが濃いので、人によっては1年くらいやったら十分だという人もいますし、疲れちゃったりする方もいます。

ただ、人と話したりコミュニケーションとることが大好きな方には、本当に天職のような仕事だと思うので、そういう方にやって頂いたらすごく楽しいお仕事になるんじゃないかなと思います。
僕らとしても、宿が増えていくことは大賛成ですし、北海道を好きな人を増やしていきたいと考えています。
単に「ゲストハウスをやりたいから始めました」だったら、そこがゴールになってしまいますが、北海道を世界に売り込んで発信していきたいと目標を掲げていたら、色んなことを考えなきゃいけません。

そういう部分でゲストハウスの人も増えてほしいですし、バスや旅行会社も増えていってほしいですね。

<SOCIAL HOSTEL 365概要>
住所:札幌市中央区南5条西9丁目1019-16
TEL:011-206-8569
アクセス:札幌市電「資生館小学校前」より徒歩5分、南北線「すすきの駅」より徒歩10分
CHECK-IN:15:30~23:30 / CHECK-OUT:11:00

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