2018/08/08

大阪の民泊プレイヤー事例 05:ゲストハウス

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取材協力:ゲストハウス木雲(もくもく)オーナー森川様

ゲストハウスを始めたきっかけを教えてください

元々私の家が「昭和湯」という銭湯をやっているんです。その並びに空き長屋があり、お風呂無しの長屋だったので、そこの持ち主の方がいつもお客さんとして利用されていました。でもその方が田舎に帰る時、長屋をなんとかできないかと相談がありまして。

そこで兄と相談し、僕が以前から事業をやりたいと考えていたのもあり、その長屋を買い取ってゲストハウスをはじめました。

ゲストハウスの運営は僕が、建物管理はお風呂屋さんの兄の会社が行う形になり、建物の改修については、できるとこは全て自分たちの手作りして、201641日にオープンしました。

なぜゲストハウス事業を選ばれたのですか?

いろんな事業を比較検討しましたが、やっぱり元々がお風呂屋さんということもあり、そこを軸にした事業にしたい想いがありました。

お風呂屋さんは今、大阪府の中に450軒あるのですが、毎年50軒つぶれていっている状況。あと9年ほどで全滅すると言われている中で生き残ることを考えた時、新しい風を吹かせようと思いましてね。

地域や周辺に住んでいる人たちが、フラッと立ち寄れるのが普通のお風呂屋さんの良さだと思うのですが、それをわざわざ電車に乗って来てくれるとか、もっと言えば海外の人が来てくれるとか。日本に来て初めて入った銭湯がウチのお風呂だったらすごくいいやんか!って。

つまり、お風呂屋さんに入ってもらうべく宿泊場所を作りました。そのため泊まった方は追加料金なくお風呂に入り放題という仕組みにしています。

近所の方からの反応はいかがでしたか?

開業当初から地域の人たちが「始めるらしいな~」と先に知っているような感じでしたね。すごく応援もしてくれるし、改修工事を手伝ってくれた人もいますしね。外国人が来る気味悪さというのがあってもおかしくないと思うのですが、「あんたんトコがやるんやろ?」と受け入れてくれて。ですからハードルはすごく低かったと思います。ちょっと夜中に騒いでも「ワールドカップなんで、すいません」で通じてしまいますしね(笑)。これも親が長らくこの地で商売していたことが大きいなとつくづく感じています。

木雲(もくもく)って変わった名前ですよね?

そうですね。響きの良さと木造長屋で手作り感のある内装、また元々長屋3軒のうち1軒が焼肉屋さんをやっていたというのもあり、お風呂の煙突の煙とうまく掛け合わせると、「木雲(もくもく)」という名前がピッタリじゃないかと思い名付けました。

そのまま読むと「もくくも」になるのですが、実はロゴでは雲の漢字を反転させていましてね。そんな遊び心もあるんです(笑)

どんなところが木雲の強みだと思いますか?

やはり銭湯があることもそうですが、大阪の、ある意味何の特徴もない下町という立地から、僕たちのリアルな日常が味わえる点ですね。

決して観光地でもなければ、名所や名物があるわけでもないですが、地元のおっちゃん達と飲んだりするのを体験できるって、旅行者にとってはまさに非日常。それが面白さだと思っています。

また僕一人でやっているので毎日は開けられていないのですが、「mogumogu」というBARを併設しており、「こんなイベントやりたい!」という方には喜んで貸し出しています。

みんなでワールドカップを観たり、流しそうめんするぞ!と企画を持ち込んだり。それにカフェをやりたい子がいて、週23日カフェをやったり。日替わりでいろんな人がいろんなことをやる、近所の方の集会場のような感じです。

実際に地域の町会長の会議や民生委員の会議なども、わざわざうちでやってくれています。それだけに、地域のお祭りとかにはスタッフを引き連れて応援に行くので、持ちつ持たれつのところがあるなと思います。

どんな方が利用されるのですか?

開業直後は8割くらいが外国人で、インバウンドの波を感じていたのですが、最近は日本人の方が圧倒的に多いですね。

やはりお風呂屋さんに外国人の方が1人で入って欲しい想いがあるのですが、連泊しても1回だけ入って、もう体験したからいいやって方や、全然入られない方もいます。

よくよく考えてみたら、僕らも海外でガイドブックに載ってないレストランは、入るのにちょっと勇気がいるじゃないですか。同様に今まで自国でも経験したことのない銭湯に外国人が入るということは、とてもハードル高いんだなって。

だからこそ、宿泊ついでに銭湯体験できるうちが、一番ハードルを下げられると思いますし、それだけハードルが高い文化だからこそ、やる意味があると思っています。

仕事の面白さをどんなところに感じますか?

自分なりに一番勉強になったのは、外国人に対して優しくないというのが、日本人に対しても同じだったんじゃないかと気づいた点ですね。

例えば、お風呂に入る時に「ケロリンの桶は使っていい」なんて書いてないじゃないですか。でも日本人なら100%わかってくれるけど、外国人目線で立ってみると「みんな洗面器持っているのに俺だけ持ってない!」って思っちゃう。女湯の場合ですと、長い髪の人は湯船に髪が入らないよう上で結ぶとか。こういう目に見えない細かいルールが結構あり、それがハードルを上げているんだなと。

以前、髪の長い外国人の女性がそのまま頭を結ばずお風呂に入って、他のお客さんからクレームになったことがありました。でもこれって、どこかに書いてあげていれば防げたことですしね。でもこれは外国人に限らず日本の若い世代の子たちにも同じことが言えます。

商店街でも買い物に来てくれないと嘆いているところがありますが、実は知らず知らずのうちに自分たちの独自の文化を作りんでいて、新参者をお断りしている雰囲気があるんじゃないか?

例えばうちの母親は、魚を買った時にどう捌いてくれとか、煮つけにしといてと言ったら魚屋さんがやっといてくれる。そういう便利さはすごく商店街にあるのに、初めて利用する人はそんなサービスがあるのを知らされていないので、あるもの買うしかない。

もっとわかりやすさや優しさがあれば、ちょっとずつ受け入れてもらえるのだと気づきましたね。

仕事において大変な部分はどんなところですか?

トラブルはもちろん最初はありましたね。でもそのトラブルを一個一個ひも解くと、さっきの話じゃないですけど、それは外国人のマナーの問題ではないと気づいたことが多かったので、むしろ反省になりました。

今後の目標について教えてください

やはり外国人がもっと来やすい環境を作っていきたいですね。外国人が来る面白さが日本人を呼ぶってところもあるので。

あとゲストハウスは、宿泊代をタダにするから仕事を手伝うことがよくあるのですが、僕自身はあまり賛成ではありません。その代わり、例えばお祭りの店番をしてくれたらバイト代みたいな感じでキャッシュバックするようなことはやってみたいと思います。ゲストが何かしら地域に爪痕を残していくみたいなことをしたい。

変にお客様扱いをするより、商店街のごみ拾いでもいいのでちょっと手伝ってくれと頼みごとをして、やってくれたらありがとうって奢ってあげる。そんな環境を作りたいですね。

これから事業を始める方へメッセージ

面白い分野ではありますし、毎日いろんな人と出会いもあるので、ぜひ楽しみながらやってほしいですね。よければ一回見に来てくれても大丈夫ですよ。

<ゲストハウス木雲(もくもく)概要>
住所:大阪市東淀川区淡路4-33-4
アクセス:阪急京都本線・千里線「淡路」駅より徒歩3
代表:森川 真嗣
CHECK-IN15:0021:00
銭湯のご利用:14:450:30(水曜定休)※土曜日のみ朝風呂7:009:30

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