2018/06/07

宿泊者名簿の作成や民泊の苦情トラブル対応は?住宅宿泊事業者の業務内容について(3)

住宅宿泊事業者が担う業務は、こちらの記事「住宅宿泊事業者とは?役割と業務全体について」で解説した通りの以下10項目です。 (1) 宿泊者の衛生の確保 (2) 宿泊者の安全の確保 (3) 外国人観光旅客である宿泊者の快適性および利便性の確保 (4) 宿泊者名の備付け等 (5) 周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項の説明 (6) 苦情などへの対応 (7) 住宅宿泊仲介業者への委託 (8) 標識の掲示 (9) 都道府県知事への定期報告 (10) 住宅宿泊管理業者への委託 住宅宿泊事業者の業務の中でも、管理業務の委託の有無によって自身で行う業務が異なり、 (1)~(3)については、こちらの記事「管理業者に任せられることは?住宅宿泊事業者の業務内容について(2)」、 (7)~(9)については、こちらの記事「標識の掲示や都道府県への報告とは?住宅宿泊事業者の業務内容について」で解説しています。 こちらの記事では、住宅宿泊管理業者に管理業務を委託する場合は、住宅宿泊管理業者の管理の下で責任を担うことになる(4)~(6)の項目についてそれぞれ確認していきます。

(4) 宿泊者名の備付け等

以下ついて正確な記載がされた宿泊者名簿を備える必要があります。 [1] 宿泊者の氏名、住所、職業及び宿泊日 [2] 宿泊者が国内に住所を有しない外国人であるときは、その国籍及び旅券番号 また、宿泊者名簿の正確な記載を確保するための措置として、宿泊前までに宿泊者それぞれについて本人確認を行います。 本人確認の方法ですが、対面や、対面と同等の手段として一定の要件を満たすICT(情報通信技術)を活用した方法も可能です。 ICTを活用した方法とは、届出住宅に備え付けたテレビ電話やタブレット端末等で、宿泊者の顔および旅券の鮮明な画像を確認すること等が挙げられます。 名簿を備付ける場所は、「届出住宅」または「住宅宿泊管理業者の営業所または事務所(住宅宿泊管理業務の拠点)」です。 この宿泊者名簿は、作成日から3年間保存し、都道府県知事から要求があった場合には提出をしなければなりません。 宿泊者名簿を電子データで作成・保管することも可能ですが、その場合には、紙で出力可能な状態にする必要があります。 長期滞在の場合には、チェックイン時に本人確認を行なっていないものが届出住宅に宿泊するようなことがないよう、定期的な清掃等の際には滞在者について必ず確認するようにしましょう。特に宿泊契約が7日以上の場合には、定期的な面会等を行い確認する必要があります。 後々トラブルにならないように、届出住宅の全ての宿泊者に本人確認を行う事が必要である旨を事前に宿泊者に伝えておくようにしましょう。

(5) 周辺地域の生活環境への悪影響の防止に関し必要な事項の説明

周辺地域の生活環境への悪影響防止のために、宿泊者に対して以下の事項を説明する必要があります。 [1] 騒音の防止のために配慮すべき事項 ・・・大声での会話を控える、バルコニーや屋上で宴会を開かない、楽器の使用は控える等、周辺地域の生活環境に応じること。 [2] ゴミの処理に関し配慮すべき事項 ・・・当該市町村における廃棄物の分別方法等に沿って、住宅宿泊事業者が指定した方法に応じて、ゴミ処理を行うこと。 [3] 火災防止のために配慮すべき事項 ・・・ガスコンロの使用のための元栓の開閉方法とその際の注意事項、消火器の使用方法、避難経路、通報措置など。 これらの説明については、説明事項を記載した書面を居室に備え付ける、または、タブレット端末への表示等により必要に応じて説明事項を確認できるようにする形でも対応可能で、必ずしも対面で説明をする必要はありません。 民泊による近隣トラブルは以前より問題になっています。それぞれの地域によって生活環境は異なり、特に外国人観光旅客については日本人の生活習慣について慣れていないことも多く、宿泊者に悪意がなくても近隣の人が迷惑に感じ、トラブルに発展してしまう可能性も否めません。届出住宅の周辺地域の生活環境を踏まえて、宿泊者にどのような情報を伝えるべきなのか?を考え、宿泊者にはわかりやすく伝えるように心掛けましょう。

(6) 苦情などへの対応

届出住宅の周辺地域の住民からの苦情および問い合わせについて、適切かつ迅速に対応する必要があります。 苦情および問い合わせについては、深夜早朝を問わず、常時、応答または電話により対応しなければなりません。また、宿泊者の滞在の有無に拘らず、宿泊者が滞在していない間についても対応が必要です。 滞在中に宿泊者の行為により苦情は発生し、宿泊者に対して注意などを行っても行為が改善されない場合には、現場に急行して退去を求めるなどの措置が必要になります。 後々大きなトラブルの元にならないよう、周辺地域の住民には事前に民泊を行うことを説明し、理解を得ておくことが望ましいです。苦情や問い合わせの対応が適切に行われるために、届出住宅の苦情窓口の担当者や連絡先を明確にしておきましょう。

住宅宿泊事業者として責任を持って業務を行いましょう。

いかがでしたでしょうか。住宅宿泊管理業者に管理業務を委託する場合に、住宅宿泊管理業者の管理の下で責任を担う業務の(4)~(6)について説明いたしました。 特に、届出住宅の周辺地域への配慮は、その場所の周辺環境をよく理解しているはずの住宅宿泊事業者が「どのような配慮が必要なのか?」を一番想像できると思います。住宅宿泊管理業者に管理業務を委託する場合でも、民泊による周辺地域への影響について定期的にチェックするようにしましょう。 住宅宿泊事業者に関しては以下記事でも解説していますので併せて参考ください。 参考「住宅宿泊事業者とは?役割と業務全体について」 参考「標識の掲示や都道府県への報告とは?住宅宿泊事業者の業務内容について」 参考「管理業者に任せられることは?住宅宿泊事業者の業務内容について(2)

関連コンテンツ

Page Top