那智山正暦寺

ゆっくりとした時間を楽しむ自然派宿坊

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歴史ある寺の自然派宿坊を訪ねて

京都から電車に揺られJR山陰本線綾部駅で下車、タクシーで5分ほどすると到着。今回ご紹介するのは、新緑に包まれた正暦寺です。
平安時代中期の創建で、その歴史は優に1000年を超えます。境内を見渡すと本堂と鐘楼門は200年前に建てられ、お地蔵様をお祀りしている地蔵堂は築350年と随所に歴史が感じられます。
正暦寺の魅力のひとつは雄大な自然。アユの漁場として知られる由良川のリバーサイド。丘の上から望む景色を眺めていると時間を忘れてしまいます。春は桜、秋は紅葉と季節ごと変わる風景を楽しむことができます。


地域と料理を愛する住職と英語が堪能な奥様

お坊さんといえば、厳格なイメージが頭に浮かびますが、正暦寺のご住職はとても気さくなお人柄。インタビュー中にもユーモアも交えながら正暦寺についてご紹介いただき、終始和やかな雰囲気でした。
お寺を継ぐため20年前に生まれ育ったこの土地にUターン。お寺の行事などを通して地元コミュニティとの繋がりを深めてきました。それは地域コミュニティを大切にしたいという想いから。
インタビュー中も、境内を通り抜ける女子高校生が「こんにちは〜!」と挨拶します。と思えば、境内の椅子に腰掛け休憩するお父さん。正暦寺が「地域に愛されるお寺さん」ということが伺える一コマ。都会ではなかなか見られなくなった光景です。
そして今、宿坊を通して地元以外の人たちにも正暦寺と綾部を体験してもらい、リフレッシュできる時間を提供したいという想いが広がります。なぜなら、訪れていただいた人達の今後の人生が良い方向に向かうようにちょっとしたお手伝いがしたいという、お寺さん本来の使命と重なるからだと。

驚いたのが、お料理は住職自ら準備するところ!プロの指南を受けながら日々研究されている住職が作る本格的な手料理に期待が膨らみます。詳しくはのちほどご紹介。

正暦寺を語る上で忘れてはいけないのが奥様の存在。留学経験があり英語が堪能なので外国からの旅行者もウェルカム。また気さくでお話好きのお人柄は正暦寺を訪れる人達を明るく包み込みます。



自然を体験する

ホテルや旅館とは違う、ここでしか体験できないアクティビティや過ごし方ご紹介します。
お寺の裏山から部屋より見える山まで八十八体のお地蔵様が並んでいる道を散策できます。草が生い茂った中を蜘蛛の巣を棒で払いながら歩いていく探検のようなイメージ。竹林坐禅やまた井戸水での水浴びができます。本堂での坐禅。写経や朝のお勤めも参加できます。
春になればタケノコ掘り。アクを抜いて焼き、食べるまでがセットです。
夏は竹林の竹で流し素麺。「ただの素麺がむちゃくちゃ美味くなる」と笑顔で話されるご住職。また目の前の由良川ではカヌー体験も可能。そして檀家さんの畑にお邪魔し野菜の収穫体験、もちろんとれたての野菜をいただけます。これも地元コミュニティを大切にしているからこそ。
秋は、しいたけの収穫体験。その場で炙って塩を振ってかぶりつきます!
冬は、雪景色。雪が雑音を吸い取ってしまったかのように静かに広がる景色の中で過ごして下さい。
これらのひとつひとつに、「堅苦しい修行ではなく、広がる自然の中を自然体で体験してほしい」というご住職の考えが表れいています。



広がる景色に時間を忘れる和空間

宿泊するお部屋の窓を開け椅子に座ると、目の前に広がる山々や由良川が一望できます。自然と入ってくる風、耳を澄ませると竹林の葉音がとても心地よく、思わず伸びをして深呼吸。
お部屋の中に目を移すと襖に描かれた鶴、高野山管長作の掛け軸など歴史のあるお寺ならではの趣のある和室の佇まい。襖を開けると3部屋がつながるので大人数も宿泊対応可能ですが、5人以下の少人数でのんびりゆったりと過ごすのがオススメとのことです。ブレません。

住職がおもてなしする和洋折衷のコース料理

住職自ら宿泊者の料理を提供するというのはとても珍しく「ラーメンもメンマから作る」ほど料理にこだわりがあります。調理場もプロも顔負けの設備が整っており、「ここにいる時間が一番長い」と、冗談がこぼれるほど料理をするのが大好きという姿を拝見し、「好きこそ物の上手なれ」が頭に浮かびます。
今日は、地元産軍鶏が余すところなく楽しめるコース料理です(日によって異なります)。まずは前菜、軍鶏とお野菜のゼリー寄せやラタトゥイユなど、どれをとっても美味。特に軍鶏の黄身の味噌漬けは風味が濃厚、食感は柔らかく優しく口の中で溶けていきます。この時点で、あとの料理に期待が膨らみます。
次に軽く味付けされた軍鶏を焼石の上で焼いていただきます。カリッと焼ける皮の香りと素材の新鮮さも相まって軍鶏独特の弾力感がある肉質に箸が進みます。一緒に出されるおろし玉ねぎにお肉をくぐらせて焼くことでさっぱりと焼き上がるのでさらに箸が進みます(笑)
そして、大根と軍鶏の大葉と和物で口の中がさっぱりとリセットされたところで、運ばれてきた軍鶏のスモークを口に入れた瞬間、「ビールが飲みたい!」を連呼しました。(心の中で)
そして最後の〆はウニご飯にお味噌汁。写真でも一目瞭然の美味しいビジュアルは目にも美味しい一品。そして、これも住職お手製のロールケーキとコーヒーを頂いてあっという間にコースは終了。
使われている和食器がより一層料理を引き立て、食器の大切さを再認識。お世辞抜きにどれをとってもとても美味しく、また優しい味付けが素材本来の風味を楽しませてくれました。お腹いっぱいです。ご馳走様でした!



編集後記

自然の中で体験し、ゆっくりと過ごし、食す。なんて贅沢な時間の使い方なんだろう。「ゆっくり過ごす旅行」が好きな人は、正暦寺はオススメです。
また、ご住職と奥様のお人柄が創り出す明るく温かな雰囲気に癒やされました。
そして、住職自ら腕を振るう料理は必食です!

施設情報

那智山 正暦寺

​〒623-0033 京都府綾部市寺町堂ノ前45

お車でお越しの方

舞鶴若狭自動車道 綾部ICから10分
京都縦貫自動車道 京丹波わちICから10分

電車でお越しの方

JR京都駅から山陰線にて綾部駅を下車
タクシー5分 徒歩30分

次回予告

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